渋谷ソラスタコンファレンス

SHIBUYA SOLASTA CONFERENCE
  • #デザイナーズ
  • #非日常空間
  • #IT・クリエィティブ企業多数利用

施設・プロジェクト概要

“100年に一度の再開発”が進む渋谷を見下ろす、南平台の丘の上に位置する地上21階建てオフィスビル「渋谷ソラスタ」。その4階にデザイナーズ会議室「渋谷ソラスタコンファレンス」があります。

大小7つのコンファレンスと、約600冊の書籍が散りばめられたラウンジで構成。デザイン性と機能性を兼ね揃え、渋谷のIT企業を中心に会議やセミナー、発表会など、さまざまなイベントで利用されています。

ビル概要

住所〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂一丁目21番1号 渋谷ソラスタ
アクセスJR「渋谷」駅西口 徒歩6分
敷地面積約4,100 ㎡
延床面積約47,000㎡
規模地上21階、地下1階、高さ107m
開業2019年3月

施設概要

用途コンファレンス
部屋数全7室
面積約22㎡~199㎡
天井高2.8m
収容人数最大約500名(各部屋12名~120名)
開業2019年6月

施設図面

施設企画・コンサルティングの特徴

会議室のあり方を再定義した「ONとOFF」が調和するコンファレンス企画

渋谷エリアはビットバレーとも呼ばれることから、情報感度の高いIT企業・クリエイティブ企業をメインターゲットに位置づけました。これらの企業は常に新たなアイデアやイノベーション、その源泉となる良質なチームビルディングを生み出すことを求められています。そこで会議室が貢献できる価値として考えたのが「ONとOFFの切り替えができる空間」と「INPUT・OUTPUTの質の向上」でした。

OFFの時間を演出する開放的な共有ラウンジ

まずこだわったのは、全体面積の30%以上にも及ぶ開放的な共有ラウンジです。このラウンジは全ての会議室へ向かう導線にもなっており、エントランスの自動ドアが開いた瞬間に、ふわっと広がるアロマの香りと視界に飛び込むように散りばめられた600冊以上の書籍が出迎えます。こうした非日常空間に足を踏み入れることで、これから始まるイベントへの期待感、参加するセミナーや研修へのモチベーションの高まりなど大きな効果があると見込みました。

また、休憩中や会議後のOFFシーンでは、ベンチやソファなどのインテリア、吹き抜けの大きな窓から差し込む自然光、本をモチーフにした壁面のアート、会議室とは思えないほど多くの書籍がセレクトされた図書館のようなラウンジ空間によって、来場者の気持ちがスイッチできる設計です。

エリアごとにカテゴライズした書籍は、デザインや自己啓発のビジネス系から、ファッション・スポーツ・映画・音楽・美容などのホビー系、歴史・科学などの知識系など、多様なジャンルを取り揃え、OFFの時間にも手軽にインプットができる工夫をしています。ラウンジに施したさまざまな工夫は来場者の好奇心や知識欲を刺激し、休憩時間中の参加者同士のコミュニケーション促進効果にも期待ができます。このように共用空間はデザイン性に特化しつつも、実際のイベントで使用される会議室内はシンプルな意匠とし、プレゼンテーション設備に力を入れました。

ON=集中を促すさまざまな仕掛け

ON=集中の仕掛けとして、参加者の意識が前方に向くようにLED照明を仕込んだ門型のステージデザインを採用。一般的な会議室ではステージに大掛かりな装飾を施すのが難しいため、この常設の意匠はステージ登壇者やプレゼンターのモチベーション向上にも寄与すると考えました。

さらに、貸し会議室では珍しい高い遮音等級「T4クラス」の建具と、高遮音壁をスラブtoスラブで設置することにより、非常に高い遮音性・防音性を確保しました。隣接するラウンジでにぎやかなパーティーを実施しても、会議室内の静音性が担保されています。

また、渋谷では一人一台のPC利用は当たり前と想定し、高速・多台数接続・安定のネットワーク環境を構築。さらに充実した電源コンセントも完備。最大120名収容可能な会議室にはバリアフリータイプの床コンセントを66口設置し、利用者のストレスを最小限に抑える工夫をしています。

渋谷エリアを見回すと、デザインだけに特化したり、会議室内も機能性より遊び心を優先した家具が選定されているような会議室が目立ちます。当会場のように、ONとOFFが切り替わるメリハリのある設計はむしろ珍しく、渋谷においては高いレベルのデザイン性が担保されたうえで、会議室内の機能性も追求されている「正統派会議室」として、硬いイベントの誘致も想定しています。

ラウンジと会議室の役割を再定義し、新しい価値を追求した挑戦的なこの施設は、当社が手掛けるコンファレンスのスタンダードとなっています。

施設運営・マネジメントの特徴

渋谷に受け入れられた、デザイン性と機能性を融合した「正統派会議室」

内装デザインへの評価

当施設では企画時の想定通りIT企業・クリエイティブ企業の方々の利用が多く見られ、当社が運営する施設の中でもダントツでお客様のスーツ比率が低く、カジュアルな装いのクライアントが大多数です。そして、やはりラウンジのおしゃれな空間が特に人気で、幅広いイベントを開催していただいてます。

ある女性向けファッション雑誌のイベントでは、参加者の大半が女性ということもあり、一般的な会場ではなく、おしゃれな会場を探されていたようです。いくつもの会場を見学していたお客様が、ラウンジを一目見た瞬間に「もうここで決まりで良いね」とおっしゃり、「この壁面本棚には自社の雑誌を並べよう」など、会場に合わせてイベントの企画が次々と決まっていきました。

また、新入社員研修でも、ONとOFFが切り替わる瞬間に立ち会えたうれしいエピソードがありました。数名の参加者とエレベーターで乗り合わせた際、緊張した面持ちで階数表示を見つめていた表情が、会議室フロアに降りた瞬間、「わー、おしゃれ。気合い入れなきゃ」と、目を輝かせてくださった様子を目撃し、企画時に想定していた通りのお客様の反応で、とてもうれしい瞬間でした。

渋谷の正統派会議室として認知が広がる理由

さらに会議室内の意匠や充実した設備・機能面が評価されたイベントも多数あります。例えば、あるベンチャー企業から年間のプログラミング講習会の相談をいただきました。

自社教室だけでは足りず外部の会場を探しているが、参加者全員がPCを使うため、どうしても電源タップの配線が多くなり、雑多なケーブルが危険でスマートじゃない。設置に時間もかかる。インターネット環境も多台数接続ができず、スピードも遅くて困っていると。そんな悩みを抱えたお客様も下見が終わるころには「もっと早くここを見つけていれば良かった、ここなら安心です」と当施設の設備に満足してくださいました。

株主総会のご利用が多いことも渋谷エリアで正統派の会議室として認められている証拠かと思います。総会会場の選定時には株主を招くにふさわしい意匠か、という視点も当然ありますが、むしろ株主総会では会議室内の映像・音響・配信設備が整っているか、控室や役員導線が確保できるか、臨機応変にサポートしてもらえるかという点を重視します。


こうした設備面やスタッフ対応力を評価していただき、開業してから年々実施件数も増え、2023年度では集中月の6月だけで13件、1年間では35件ものご利用がありました。

ターゲットを絞った戦略で差別化に成功し、今では渋谷で希少な正統派会議室として認知が広がってきております。デザイン性と機能性が評価され、ビッグベンチャーからスタートアップ企業までさまざまなご利用につながったことで、高い稼働率を達成しています。


「駅徒歩6分以上」の駅遠会場を高稼働させる運営ノウハウ

駅から会場までの距離が遠いほど稼働率が低下するというのは常識とされています。そのため、これまでに最寄り駅から徒歩5分以上離れた物件を運営することはなく、当社にとっては新規物件のセオリーを初めて打ち破るチャレンジとなりました。

渋谷エリアの競合マーケット調査では、低価格を売りにする会議室、スタイリッシュでおしゃれに特化したスペース、ライブ特化型のイベントホール、劇場シアター型ホール、ホテル併設の宴会場など、その多くが駅徒歩3分以内にひしめき合っていることが分かっていました。そんな状況下で、わざわざ5分以上離れた会場に集客する心理的ハードルを下げるため、特にアクセス案内において一風変わった訴求に取り組みました。

渋谷駅からは、主に道玄坂沿い、国道246号沿い、渋谷マークシティ内を通る3つのルートが存在します。しかしながら上記の懸念を払拭するために、アクセス案内では意図的に「渋谷マークシティ内を通るルートのみ」を掲載し、施設内を通れば「空調が効いている」「雨に濡れない」「エスカレーターがあるため坂を感じない」ということを前面に出すようにしました。

この施策が功を奏し、最近では「思ったよりも近い」「遠く感じない」といっていただけることも多くなりました。特に渋谷ソラスタコンファレンスは、約80%が渋谷エリアのクラインアントであり、渋谷の土地勘に強い顧客層が基盤であるからこそできる訴求方法でもありました。

渋谷駅は東京屈指の大型ターミナルであり、9路線が乗り入れ、100年に一度の再開発が行われるなど、駅周辺の迷いやすさも課題でした。この問題を解決するため、駅から当施設までの道案内動画をARを活用して制作し、参加者が迷わず到着できるように工夫しました。またYouTubeに動画をアップすることで、主催者が参加者に案内を簡単に共有できる仕組みを整えるなどWEBサイト上でブラッシュアップを重ね、ユーザビリティの向上に継続して取り組んでいます。

これら営業運用面での工夫もさることながら、やはり最終的には当施設の企画設計やコンセプトがお客様の心を掴み、当社スタッフの高いホスピタリティと提案力が多くのリピーターを生んでいます。モチベーションが高まるおしゃれな共有空間と、集中力が高まるプレゼンテーション設備が整った会議室が融合された正統派施設は、マーケットの観点からも渋谷エリアでは珍しく、「きっとイベントが成功する」というご利用者様の判断に直結しています。


実施イベント

貸切イベント
PR 発表会
学会 シンポジウム
懇親会 パーティー
セミナー 講演会
  展示会
株主総会
撮影 収録

運営チームからのメッセージ

渋谷ソラスタコンファレンス
チーフマネージャー
前田 伸太

企画当初、エリア内の競合の多さや駅遠立地など懸念点が多く、社内でも開業を不安視する声が多い物件でした。渋谷立上げの責任者に任命された私は、意匠設計をお任せすることになったデザイン会社ドラフト様との議論で生まれた「デザイン性と機能性の両立」というコンセプトや、ワクワクする完成予想パースから、この施設は大化けするのではという期待を内心抱いていました。

その予想は当たり、想定以上に渋谷のお客様に受け入れられ、スタートアップやベンチャー企業の方々の若々しくエネルギーに満ちたご利用が後を絶たず、日々チャレンジングな催しで忙しい毎日が待っていました。その結果、開業初年度は当初予算130%と高い売上を達成できました。

こうした成果もあり、この渋谷の企画思想は、今ではインフィールドが手がけるコンファレンスのスタンダードモデルとなったことに、誇りを感じています。

インフィールドは独自の人材戦略により、

高いスキルと情熱を兼ね備えた社員を育成しています

ホール・会議室の収益化には、高いホスピタリティと専門知識を持ったチームが不可欠です。インフィールドは、そんなチーム作りを全社的に取り組んでいます。

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