CASE STUDY

ソラシティカンファレンスセンターの企画コンペと立ち上げ

お客様の声を吸い上げ「愛され続ける会場」を創り上げる

2013年4月に開業した御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター。この施設の企画コンペ当時の話を、現執行役員で当時主担当であった中村仁に聞きました。

執行役員 中村仁 2000年入社 経営企画・新規事業担当

未知の土地でカンファレンスセンター新設の依頼

JR御茶ノ水駅から徒歩1分の好立地にあるソラシティカンファレンスセンターは、インフィールドが管理運営する施設の1つである。現在、全社の新規施設コンサルティングを統括する中村仁は、ソラシティの設計段階からプロジェクトに参加し、多くのお客様から信頼される施設へと育て上げたメンバーの1人だ。

「発端は、御茶ノ水にビルを建設中のディベロッパーから『企画コンペに参加しないか』という打診をいただいたことでした。対象となるビルは交通アクセスが非常によく、都心には稀な規模を有しています。社内には事業拡大に慎重な声もありましたが、企画次第でとてもよいホールができそうだと考え、コンペに参加することになりました」

御茶ノ水駅周辺には大学や医療機関が多いため、クライアントであるディベロッパーの「アカデミックな会場をつくりたい」という要望は、的を得ているかもしれない。だが、近隣に競合施設がないということは、立地におけるニーズはもちろん、集客や運営方法も未知数であり、クライアントもその点を最も心配している。

蓄積してきた経験を元に、潜在的なお客様ニーズをリサーチ

中村は、前代表の原田とともにプロジェクトチームのメンバーを集めた。1人は、中村の補佐として全体を把握できるスタッフ。そしてもう1人は、社歴は浅いながら、学会などアカデミックなイベントの運営サポートを数多く経験しているスタッフを選ぶ。合計4名。

「当社はソラシティ検討当時はまだ、アカデミックなイベントを多く手がけてきたわけではありませんでした。けれど彼女は、社内では珍しく、大学教授や医療関係の先生方をお客様とする学会関連のイベントを、数多くサポートしていました。カンファレンスコーディネーターとしてお客様とコミュニケーションをとってきたのであれば、業界の動向やニーズはきちんと把握しているはずです。それが経験1〜2年の新人であったとしても、私は彼女を信頼し、指名しました」

まず着手したのは、現場周辺のリサーチである。ここで注目したいのは、中村の着眼点だ。一般的には、周辺の競合施設でこれまでどんなイベントを開催し、予算規模はどのくらいか、といった「過去」を検証することが多い。これに対して中村は「この場所にホールがあったらどう使いたいか」という「未来」について、お客様やエージェントにヒヤリングを重ねた。ここで、学会関連のお客様を担当してきたスタッフの情報収集力が活きたことは、言うまでもない。

その結果見えてきたのは、現地では、イベント色が強いものより学会やセミナー、フォーラムなどに使いやすい会場が望まれている、ということだった。であれば、派手なイベントを演出するための設備は必要ない。華美な装飾をなくせば、その分、建設予算が抑えられる。その代わり、学会などは全体会と分科会で構成されるケースが多いことを考慮。参加者の移動に時間がかからない導線づくりに基づく設計を検討し、提案した。

コンペに勝つことより、継続して運用できることが重要

コンペの結果は、ほぼ全会一致での勝利だったと聞いている。クライアントに高く評価されたのは、具体的なプランの内容もさることながら、インフィールドがこれまで築いてきた運営面での経験値が他社とは段違いだった。お客様は何を求めているのか、どんなリスクが潜み、どう対応するのか。お客様の期待を超えるサービスを提供できる知識がある。そういう人材を培ってきた。お客様の層の厚さと信頼関係にも表れていた。実際、受注が決まる以前から「オープンしたらすぐにでも使いたい」というありがたい声を、お客様からいただいていたという。

「プロジェクトのミッションは、単にコンペに勝つことではなく、お客様に『愛され続ける会場』を創り上げ、継続した運営ができる道筋を創ることです。その意味では、実際の設計に着手してからの方が大変だったかもしれません」

当初、2階フロアだけで企画されていたスペースは、施工に入る段階で1階まで含めた広さに拡大された。新たな設計企画と並行して壁やカーペット、パーテションなど細部の設計打ち合わせを行い、運営面での収支想定を作る。作業は多岐にわたり、時間はいくらあっても足りないほどだった。

そして、中村のカンファレンスコーディネーターとしての実績は、ここでも活かされた。担当していた会場の規模に収まらなくなり、他社の会場へ移っていった大口のお客様が、新しいホールに興味を示してくださったのである。

「お客様からは、ホールを使う側の立場として、何が必要か、どうしたら使いやすくなるか、という実践的なアドバイスをたくさんいただきました。実際に工事現場まで足を運び、一緒に検討していただきました。結果として、そのお客様にとって非常に使いやすいホールに仕上がったわけですが(笑)、利用者であるお客様からの生の声を事業者様と検討し、反映できたことが、現在の高稼働に繋がっていることは間違いありません」

これまでの経験を活かし、新たなカタチで展開してみたい

施設が無事オープンした時の喜びは計り知れない。だが、中村がそれ以上にうれしいと感じるのは、実際に利用したお客様から「使い勝手がいい」という言葉をいただいた時だという。それは、インフィールドが持つスタッフ層の厚さや、ステークホルダーであるお客様の質や量を実感することでもある。

「『愛され続ける会場』であるために、私はいつも、関わるすべての人が”Happy”になるためにはどうしたら良いかと考え、仕事に取り組んでいます。継続的に事業を進めて行くためには、自分も含めた皆が『Win』でなければ、どこかが疲弊し、良い関係は継続できませんからね。オーナーも、お客様も、運営者も、協力業者も、関わるすべての人が『この仕事をやってよかった』と思えるような施設や契約内容を考え、カタチにしていくことが、私たちの仕事だと思っています」

プロジェクトを通じて中村は、カンファレンスコーディネーターとしてお客様としっかりコミュニケーションをとることの重要性を、あらめて実感したという。そしてその経験があるからこそ、インフィールドが展開しているサービスを様々なカタチで展開してみたい、という想いも芽生える。そこには、海外展開という構想も含まれているようだ。

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