STORY3
東急不動産 INFIELD

400インチ×2面
巨大スクリーンの
イベントホール誕生の舞台裏

Date

2024.09.30

facility

東京ポートシティ竹芝 ポートホール/ポートスタジオ

「東京ポートシティ竹芝」は、2020年9月に東京臨海エリアの新たな複合施設として開業した。JR浜松町駅から徒歩約5分、ゆりかもめ竹芝駅と直結。水と緑に囲まれた環境で、国家戦略特区の認定事業として整備。産学連携やテクノロジーを活用したまちづくりを推進している。

この複合施設内には、インフィールドが運営を受託する「ポートホール」と「ポートスタジオ」が設置されている。本インタビューでは、施設の開発に携わった関係者に、都内でも特異な設備である巨大スクリーンを常設するホール企画の舞台裏や、ONLINE配信スタジオ設計の経緯、開業後のエリアマネジメントの取り組みなどについて聞いた。

PROFILE

東急不動産株式会社

プロジェクト共創部 企画推進グループ

グループリーダー
 

土井 映祐 様

2016年から東京ポートシティ竹芝の開発を担当。

東急不動産株式会社

都市事業ユニット 都市事業本部

ビル運営事業部 大型運営企画グループ
 

簗瀬 理恵子 様

2021年から東京ポートシティ竹芝の運営を担当。

株式会社インフィールド

東京ポートシティ竹芝
ポートホール/ポートスタジオ

チーフマネージャー

初瀬 広壮

東京ポートシティ竹芝 ポートホール/ポートスタジオの企画段階から本プロジェクトに参画。

※所属・役職はインタビュー当時のもの

東京ポートシティ竹芝
ポートホール/ポートスタジオの開発背景

東京ポートシティ竹芝は国家戦略特区に認定されていますが、どのような思いで始まった再開発プロジェクトですか?

東急不動産 土井様:

以下、東急不動産 土井

もともと、東京ポートシティ竹芝の街区には、公文書館や計量検定所という建物がありました。それらの公共施設用地を再生してエリアを活性化する、というのが再開発の発端でした。

当時、ここは「浜松町の駅から海側って何があるの?」というような知名度の高くないエリアでした。行政としては再開発を都市のステップアッププロジェクトと位置付け、「都市開発、エリアマネジメント活動などを通じて賑わいを創出したい」という要望でした。

その中で、国家戦略特区の第1号案件として、国家戦略特区としての国際競争力の強化に寄与すべく、デジタル×コンテンツの産業発展という狙いで開発を進めました。

INFIELD 初瀬:

コンテンツ発信という要件自体がとても抽象的で、それを具体化して施設のハードやソフトに落とし込んでいくのが難しかったと思うのですが、いかがでしたか?

東急不動産 土井:

そうですね。社内でも、「そもそもコンテンツってなんだろう」という話がありました。
大きい特区としての建て付けで言うと、「起業」「発信」「研究開発」「ビジネスマッチング」の循環をすることで、コンテンツ産業の発展に寄与したいと考えていました。例えば「起業」については、上の8階フロアにはシェアオフィス&コワーキングスペースがあって、そこでベンチャーの方や独立した方々を支援する。そして、その新しい「発信」の拠点として、撮影ができ、発信ができるスタジオを設ける。

そのスタジオで撮影したり、作ったものを今度は発表する場が必要だよね、というときに使えるのがまさにこの1階ホール。ここでは発表だけじゃなくて、「ビジネスマッチング」もできる場にしたい。また「研究開発」を促進させるためにも大学と連携する必要がある。この4つの循環を回す仕組みを構築する必要があるという考え方でした。

その中でも成果発表も行うホールについては何か特徴付けをしたいと考え、行政に対しては「コンテンツメディアホール」という提案をしていました。コンテンツというものは決まった定義はなく、例えばアニメや漫画、音楽、テクノロジー、カルチャーなど多様なジャンルが当てはまると考えたため、さまざまな種類のコンテンツ関連イベントに対応したい。じゃあ、それらに対応すべくこの施設にどういった特徴を盛り込むかという議論をし、「音、照明、映像のいずれかで特徴付けをしたい」といった議論をしました。

コンテンツの発信拠点として、ホールのハードの特色をどう出していくか、そして手探りのスタジオをどんなスタジオにしていくか、いろいろな運営会社さんとお話する中で、この2つに対してベストな支援をしてくれる運営会社を探していました。

1度は断られたインフィールドを
運営会社に選んだ理由

インフィールドを運営会社に選ばれた理由を教えてください。

東急不動産 土井:

実は基本計画の当初の企画を立てたときは、別の会社さんがコンサルティングに入っていたんです。

INFIELD 初瀬:

当社にも基本設計コンサル時にご相談があったんです。一応、東急不動産さんとはグループ会社の関係にありますので。ただ、当時は竹芝の立地についてマーケット的にネガティブであったり、全体のコンセプトにも当社がイマイチピンと来ずに、当社の得意領域というよりも、もっと派手なものを求められていた印象があったので「ちょっと微妙なので、やりません!」と無下に断ってしまったんですよね。当時はすみませんでした(笑)。

東急不動産 土井:

いえいえ(笑)。基本設計が終わり、与件が固まりきっていなかったホールとスタジオの企画深度化を進めるタイミングで、先ほど申し上げたような特区の要件もありましたし、行政との調整も含めてまだまだ不透明な部分があるタイミングでした。

インフィールドとは別の2社にも相談はしていて、1社は音楽ライブイベント特化型に近い会社で、もう1社は逆に学会系のBtoBイベントに特化した会社でした。しかし、特区の大きな考え方に沿うと学会だけでは少し物足りず、建物の構造上オフィス側とホール側で防音防振の縁を完全には切れないビルのハード面の制約がある中で、音楽イベント1本足打法だけでは難しくなる懸念もありました。それなら、音楽特化やBtoB特化の運営会社ではなく、イベントホール経験もありつつ、コンファレンス系のBtoBイベント実績もある「インフィールドさんと一緒にやった方がいいんじゃないか」と考えました。

東急不動産 簗瀬様:

(以下、東急不動産 簗瀬)

経緯を聞いて、オフィスビルであるが故に派手なものを入れられないとか、そういうところをきちんと開発側で検討してくれていたんだなと分かりました(笑)。社内の話ではありますが、開発と運営では考え方や見方が異なる部分があるので。

開発時点でのアイデアやデザインが、運営のフェーズに来たときに「なぜこういう仕様にしたんだろう?なぜこのサインはここにあるんだろう?」ということがあります(笑)。

東急不動産 土井:

そうですね。当時、複数社に声をかけて最終的な運営会社さんを選定する中で、いろいろな会社とお話をしていると、個人的な感覚ですが、インフィールドさんはグループ会社でもありますし、肌に合うなと感じました。会社ごとに得意分野や提案内容に違いはあるのは当然ですが、一番フランクにいろいろお話できるのが、とても好印象でした。

INFIELD 初瀬:

相談レベルでいろいろな視察がスタートしましたよね。当時スタジオというものがそもそも分からなくて、「コンテンツメディア」が何なのかも分からないし、まずは今あるスタジオを巡りましょうという話になって。あのときはまだ運営することも決まっていなかったんです。「とりあえず一緒に見に行きますか」っていう軽いノリでした。

東急不動産 土井:

そういう無茶振りがしやすいのも、フットワークが軽くて肩ひじ張っていないノリもとても良かったです。まだ発注してないのに「興味あるから一緒に見てみたいです。付いていっていいですか?」と言ってくださったこともありましたね(笑)。

東急不動産 簗瀬:

そんなスタートをしていたんですね。人間味があっていいですね(笑)。

400インチ×2面の巨大壁面スクリーンは
なぜ企画されたのか?

巨大壁面スクリーンのアイデアはどのようにして生まれたのですか?

東急不動産 土井:

本当にお話しやすい関係だったので、結構ざっくばらんに「何をしましょうかね」という話をさせていただきました。もともと基本設計の与件で、1階立地で搬入条件が良いこと、ホールとホワイエと屋外広場が可動壁でつながることは相談時点での決定事項でした。それらの与件を踏まえて、外部とのつながりを生かすなら長手方向をホールの正面にするなど、いろいろディスカッションさせていただきながら、ハード面で特徴付けるポイントを絞っていきました。

ホールの特色付けとして「音か、照明か、映像か」という大きな選択肢がありました。しかし、「音」は上層階がオフィスビルなので重低音の振動がどこまで伝わるか分からずリスクが高い。「照明」は、施設の常設設備が多少足りなくても、いまはお客様が持ち込めばいろいろできる。そういう意味では、施設のハードとしての特徴付けは「映像ではないか」みたいな話をインフィールドと議論させていただき、「壁一面を映像装置にした、プレゼンテーションに特化したホールにしましょう!」という提案をいただきました。

INFIELD 初瀬:

そうですね。「コンテンツメディアホール」という名前を先に行政に対して提案しているので、コンテンツメディアをハードでどう表現するかをかなり検討しました。当初の設計のままだとコンテンツ味が薄いということで、最初の我々の想定では、壁一面をLEDパネルにしようという話もありました。でもそれだけで当時は10億円くらいかかると。

東急不動産 土井:

はい。「全然コストが合わない、全く無理です」となりました。また、LEDは当時重量もとても重く、構造を補強するか?という話にもなり、そうするとさらにコストがかさむため選択肢からは外れていきました。

INFIELD 初瀬:

当社は社員の30%以上が映像・音響・照明・放送・舞台などのイベント関連出身者で、毎年行われる各種メーカーの新作展示会でも情報収集をしているのですが、たまたまスクリーン会社の新商品発表があって。そこで現在、ポートホールに導入されているクリアブラックスクリーンを初めて見て、「これだ!」と。コストもLEDの1/10以下、スクリーン特有の照明や外光の反射を抑える特殊な加工で解像度・鮮明度もLEDに近しいものが再現できそうで「まさにコンテンツメディアホール!全ての条件をクリアできるぞ!」と。

東急不動産 土井:

その後、私もショールームに同行して、LEDとクリアブラックスクリーンの比較画像なども確認して、「これはいける!」という感触がありました。インフィールドさんにご提案いただいた、400インチ×2面の巨大壁面クリアブラックスクリーンという企画が、結果として都内でここにしかない売りになり、ポートホールを象徴する目玉の設備になり、開業後のさまざまなイベント誘致成功のトリガーになっていったと感じています。

この巨大なスクリーンをホールの中心に据えるという判断は、事業者としてもチャレンジングではありましたが、私は企画を前に進める立場でしたので、この方針で推進しようと。クリアブラックスクリーン400インチ×2面というサイズはイベントホールとしては日本全国で一番大きく、何でも一番はいいことだからという、昭和な発想で(笑)。

INFIELD 初瀬:

当社の中でも、これはとてつもなく面白い企画になるぞという期待がありました。この巨大スクリーンを実現するからには、400インチ×2面のサイズ感にもこだわろうという話になり、そのための工夫で運営目線ではちょっとあり得ない提案をさせてもらったんです。

一般的に、ステージの真上の照明バトンは上下に昇降できるようにするんですね。そうしないと照明の付け替えが一番多いエリアなので、固定バトンにすると運営がすごくやりづらいんです。でも昇降バトンにすると、バトンの上に電動モーターを仕込まないといけなくて、その分バトンが天井面から下がってしまい、400インチのスクリーンサイズが確保できなくて370インチくらいになってしまうと。

ホール設計のセオリーからいくと、普通は昇降バトンを優先して、多分370インチ2面などにサイズを妥協すると思うんです。しかし、「我々が運営で苦労してもいいから、400インチにするために固定バトンにしましょう!」という提案をしました。運営する竹芝チームのメンバーには実際に苦労をかけてしまっているのですが、会場を象徴する設備としてこだわり抜いて、成功だったと感じています。

時代を先取りしたONLINE配信スタジオの提案

コロナ前で、まだONLINE配信が主流ではない時代に、どういった経緯でONLINE配信スタジオを企画したのですか?

東急不動産 土井:

当時から動画など、個人によるコンテンツの発信はだいぶ始まっていて、世間的に定着してきたのかなと思っていました。とはいえ、企画検討を深度化していた2016年時点では、コンテンツ発信のためのスタジオというのが我々もまだ分からなくて。国家戦略特区の要件に対して、ストーリーのひとつとしてスタジオを上手く提案できたのはいいけれど、具体化はどうしようという部分で袋小路に迷い込んでいました。「スタジオには何が必要なんだろうね」と考える中で、YouTubeスタジオやLINEスタジオを見に行ったりしました。

INFIELD 初瀬:

当時、当社内でも立地的に8階の奥まった位置にあるこのスタジオをどんな企画にすればよいか、かなり試行錯誤していました。世の中には各用途に特化したいろいろなスタジオがあります。撮影スタジオ、編集スタジオ、録音スタジオ、ハウススタジオ、キッチンスタジオなどです。ただ、特定領域に特化するとマーケットが狭くなり、せっかく作ったスタジオを広く一般に使用してもらうことが難しくなります。専門設備はハード面や運用メンテナンス面でもコストが大きくなります。

「できるだけ汎用性が高いスタジオって何だろう?」という議論の中で、当時YouTubeの盛り上がりや、スマホのカメラ機能が向上してスマホでCMや映画が撮影できる、といったトレンドもあり、「大企業もスタートアップも個人も使用できる、ONLINE配信スタジオ」が良いのでは?という企画提案をする方針になりました。

INFIELD 初瀬:

合成用のクロマキーグリーンカーテン、撮影背景用の白カーテン、遮光カーテンの3種で会場全体をぐるりと取り囲み、撮影時の照度を担保するために天井は固定バトンを張り巡らせて照明を吊ることができる仕様としました。スタジオは2分割可能として片方はオペレータースペース、片方は撮影スペースといった利用用途に合わせた可変性を持たせました。また、ゲストの控室やパントリー、関係者の待合スペースとしてのロビーもしっかり設え、利用者に心地よく利用いただけるスタジオを目指しました。

コスト面では、高価な撮影機材や編集機材はあえて持たず、防音防振の浮床構造も分割した部屋の半分までにするなど、建築費を抑える作戦を取りました。事業継続のための収益性を確保しながら投資コストも抑えられる、かなり良い提案だったと思います。

御社が「スタジオはどうしよう……」と迷いの森に入り込んでいらっしゃるときに、当社提案の図面を見た瞬間「これでいいじゃん!」という光明が差してきたような反応をされたのが、私はすごく印象に残っています。

その後、いろいろなスタジオを見学して、TVスタジオなども見たのですが、いろいろ見れば見るほど、私たちの提案が竹芝にはマッチしているという確信を深めていきました。

東急不動産 土井:

そうですね。そもそも控え室は必要なのか、ロビーは何に使うか、VIP動線は必要か、芸能人も来るのかなど、いろいろな議論をした記憶があります。天井高があまり高いわけではないので、どうもテレビ撮影などで使うような本格的なスタジオはできないみたいだ、とか。その中でできることは何だろうと考えて、インフィールドさんの提案してくださったスタジオにイメージが固まっていきました。

INFIELD 初瀬:

いろいろな制約の中から生み出されたスタジオのアイデアですが、結果としてコロナ禍になり、ONLINE全盛時代に突然切り替わったことで、それを想定していたかのような企画となりましたね。当初、稼働のアップサイドをあまり見込めないと思っていたものが、蓋を開けると大きく上振れたというのも、結果としては良い商品企画だったなと感じます。

実施設計からの変更とVE・CD提案

インフィールドは実施設計からの参加で、さまざまなハード変更をする中でコスト調整で苦労された点はありますか?

東急不動産 土井:

当時、今ほどは建築費が高騰していませんでしたが、それでも巨大プロジェクトですので、工事予算調整はかなり厳しい状況でした。特に、ホールの壁面巨大スクリーンについて、これを導入する方向感は一致していましたし、壁面LEDよりもコストは遥かに安くなりました。しかし、もともとの企画では本当に普通の吊るスクリーンだったので、コストはかなり増えていて、「わざわざお金かけてそれやるの?」という議論は結構ありました。

それでインフィールドさんにもだいぶわがままを申し上げ、全然コストが合わないとさすがに実施できないみたいな話もありうると。その中で「プロジェクターなどの更新頻度が高い機材はインフィールドが負担します」と提案をいただきました。そうした機材をビル側で保有すると、やはり僕らとしてはせっかく買ったんだからなるべく長く使おうとしてしまうけれど、いずれ時代に合わなくなるかもしれない。それに対して、運営会社が自前で機材を購入し、その代わり設備更新も運営会社の判断でしていただくというのは、それが一番いいのではないかと。そのような形で、負担区分も結構調整させていただきました。

おそらく我々が直接お話していないところでも、先ほどおっしゃったように、ゼネコンさんと「コストが厳しいと分かっているから、ここは削っても大丈夫ではないか?」などのコミュニケーションをしていただいたと思います。

INFIELD 初瀬:

負担区分については、映像が売りの施設なので、適切な時期での設備更新ができるように当社もリスクを取って大きな投資をさせていただきました。ゼネコンの設備担当の方には、かなり細かくVE・CDのご提案をしましたね。でも、その後出てきた見積もりがなぜか全然減ってなくて愕然としたりとか……あるあるですよね(笑)。

東急不動産 土井:

はい、あるあるです。なんでだろうって(笑)。ただ、インフィールドさんは、ドライに「私たちは運営者なので、作られたものをただ運営します」という立場に立てることは立てるのに、そうはならなかった。結果として運営目線も入っているし、ビルオーナーである我々の目線も入って、ちょうどいい感じの施設になったんじゃないかなと思います。

INFIELD 初瀬:

ありがちなのが、コンセプト通りに作って、「はい、作った」で終わりで結局誰にも使われないパターンや、収益が出ないからメンテナンスができなくて時代に耐えられなくなる、みたいなパターンなんですよ。そういう意味では収益性とコンセプトの両立をすごく意識して、設備設計もフロアプランもプロモーションも、トータルでご提案させていただきました。

コロナ禍でも高稼働でスタートした
営業・運営の秘密

2020年9月のコロナ禍での開業でしたが、稼働状況はいかがでしたか?

東急不動産 簗瀬:

壁面巨大スクリーンの迫力あるプレゼンテーション環境と、1階の搬入動線がとても使いやすい立地という2点がハードの魅力として特に大きく、利用者からとても好評をいただいていると聞いています。スクリーン以外でも、それを制御するスイッチャーや照明機材なども良いものを入れているので、これらの機材をぜひ使いたいといった声があるとも聞いています。

コロナ中の利用に関しては密にならないようにとか、外気を入れなければいけないということで、ホワイエを開けっぱなしにする使い方が良かったのかなと思います。初瀬さんはどうですか?

INFIELD 初瀬:

コロナ禍になってしまったことで、イベントホール業界全体はすごく先行きが見通せない状態でした。一方で竹芝の場合は、映像に超特化した企画がまさにこの時代を予見していたかのようでした。企業が対面の活動自粛を余儀なくされる中、ONLINE配信を含む映像で何かを作り表現していく方向にシフトチェンジしていきました。その流れの中でポートホールという会場が生まれ、今までにない映像を生かした企画や3密を回避できる設計など、本当にいい条件が重なって、稼働にもつながったんだと思います。

開業直後には、ビル全体の開業イベントとしてかなり大がかりなONLINEを活用したイベントを実施することになりました。その一環として音楽ライブを開催したり、スタートアップ企業をお呼びしてピッチセッションやっていただいたり、それらを大規模にONLINE配信したり、こんなふうに使ってもらえたらいいんだろうなということを開業イベントでずらっと全部並べて実施することができました。今のWEBサイトで訴求している事例や写真は、その開業イベントがベースになっています。

東急不動産 土井:

コロナ禍でもイベントを実施するために、ビル内屋外イベントスペースで音楽ライブを企画して、お客様には数mおきに一人ずつ立ってもらうみたいなことをやりましたね。Crystal Kayさんの歌を数十人くらいで聞いてるみたいな、今考えると贅沢なイベントでしたよね(笑)。

INFIELD 初瀬:

そうですね。印象に残っている出来事がひとつありまして。Crystal Kayさんをお呼びする屋外ライブ会場は、私たちの運営受託エリアではないのでノータッチだったのですが、電源が足りないっていう話を直前になって知りまして。御社のご担当者が真っ青な顔で「ちょっと3階に来てくれる?」と仰って。

私たちは、1階ホールの施工でちょうどイベント用電源の業者さんを呼んで打ち合わせをしていた直後でした。そこで、その業者さんを呼び直してライブ会場を見てもらって、結構遠回りですけど配線を持ってこられそうだとなり、電源不足の問題は上手く解決ました。そこから、私たちの運営範囲外のイベントにも仲間に入れていただいて、「全部入ってほしい」と言っていただき、ハード面の調査や開業イベントも一緒にやろうっていうお話をいただいたんです。

もともと当社が、「自分たちの仕事はここまでです」と線引をするタイプではないので、すごく良い連携をさせていただきました。

東急不動産 簗瀬:

私が初瀬さんと一緒に仕事をしている中で、配属当初のそれこそ私が開業の経緯や利用方法をあまり知らない時に、素人目線で「このホールは会議やセミナーといった堅いイベントの利用が多いんだろうな」と思っていました。

でも、実際に開催されているイベントを見るとアイドルが来たり、音楽イベントをやったり、今日はちょうどパブリックビューイングもあるのですが、想定よりもさまざまなイベントで利用されているなと思いました。

土井も話していた通り、当社でこういった会議室以外の施設を運営するというのが初の試みだったので、正直なところ我々も、どうやって運用するか、稼働がどのぐらいまで上がれば平均点と言えるのか分からない中での運営で、インフィールドと二人三脚で手探りで試行錯誤してきました。

私たちでは考えられないアイデアをいただいたり、いろいろなイベントを誘致してきてくださって、本当にすごいなと思っています。インフィールドの顧客のニーズをつかむ力、最新の設備の知見と情報収集能力などが、今の高稼働につながっていると私は思います。

INFIELD 初瀬:

繰り返しになって恐縮ですが、高稼働の一番のポイントは「この巨大スクリーンの前でプレゼンテーションする画は絶対に受ける」という確信の下、営業活動を行ったことです。

「誰でも一度はスティーブ・ジョブズのようなプレゼンができる」みたいなコンセプトを掲げて、しかもこのビルにはソフトバンクの孫会長というアイコンになられるような方もいらっしゃるので、業種・業態・利用用途に縛られずに、とにかく「何かを発信するならジョブズみたいに歩きながらマイクを持たずにプレゼンテーションしましょう!このポートホールで!」と訴えかけていきました。それが時代のニーズにすごく合致したんじゃないかと思います。

さらに竹芝チームとして力を入れたのが、WEBサイトの訴求です。現在、ポートホール/ポートスタジオの施設WEBサイトには30以上のご利用事例が掲載されていて、この規模の施設の事例訴求としては内容も量も群を抜いていると思います。他にない特色を持った施設だからこそ、さまざまな使い方をお客様にしっかり訴求していきたい、そのためには成功事例を詳細にお伝えしていくのが一番良いと考えました。

また、CGを作れるスタッフ、英語力の高いスタッフ、SEOなどのWEB広告に強いスタッフなど、個性あふれるメンバーがそれぞれの強みを生かして、施設の訴求とお客様へのより良い提案を日々行っています。当社の中でも「かなりキャラが濃いチーム」と言われています(笑)。

そんな高稼働を作るインフィールドのスタッフは、どんな人たちですか?

東急不動産 簗瀬:

とても気さくな方々ですね。本当に気さくにいろいろ提案してくださるし、逆にこちらがちょっと無理な相談や依頼をしても「面白いですね、やってみましょう!」と、本当に快く受け入れてくれる。気さくで前向きな運営をしてくれるのがインフィールドですね。

東急不動産 土井:

そうですね、最初から壁を作らずに話せる空気感を作ってくださる方々だなと思います。

企画収支を大きく超える数字への評価

数字面での評価はいかがですか?

東急不動産 土井:

企画時は収支が本当に厳しかったです。やはりスタジオとかホールは我々も経験がないので、事業収支としての収入はそんなに見込めなかった。やってみて、跳ねてくれればありがたいですが、最初から大きな収益を見込んでしまうと危ないっていう。

INFIELD 初瀬:

当初の巡航稼働の想定に対して、現在ホールは130%超、スタジオは135%超の実績が出せています。

ホールは当初の設備設計も良かったのですが、そこからさらに複雑な映像表現を可能にするスイッチャーを追加購入したり、調整室だけでなくフロアでも簡易オペレーションできるシステムを構築したりと、日々の運営で蓄積されたノウハウやお客様からの要望をミックスして、当社も継続的な投資を行っています。

東急不動産 土井:

スタジオもそんなに稼働率が上がっているんですか!?私は企画担当で開業後の現在の数字までは細かく見ていなかったので、とてもすごいな……びっくりしました。

特にスタジオは当初、8階の奥まった立地で設備もホールほど頑張れないため厳しい、というお話だったので、とても驚きました。ホールの稼働率も、これはほぼ毎日動いていないと達成できない数字ですよね。

INFIELD 初瀬:

毎日どころか夜中も早朝も、翌日の仕込みや準備などで稼働している、という感じです。

東急不動産 土井:

本当にすごいですね……。

大型テナントのソフトバンクイベント誘致のための提案力

大型テナントであるソフトバンクの利用は多いですか?

INFIELD 初瀬:

そうですね。開業時はソフトバンクさんが実際に使われているイベント会場のサイズ感は、ポートホールでは全然足りないぐらいの規模ばかりで、あまり需要はないよねという話を当社でもしていました。実際に開業前にソフトバンクのご担当者にヒアリングの機会をいただきましたが、そのときも直接「全然使わないと思います」と言われていました。

東急不動産 簗瀬:

本当ですか?今ではたくさん使っていただいていますよね(笑)。

INFIELD 初瀬:

当時の営業戦略の中では、残念ですがソフトバンクさんのご利用は見込めないので、やっぱり外から案件を誘致しようと思っていました。でも、これもコロナの影響で、ソフトバンクさんの株主総会や決算説明会などの大きな規模でやられていたイベントも、この壁面スクリーンを使って無観客で映像配信でやりましょうとなりました。

また、「ソフトバンクワールド」という、1年に1回実施されているソフトバンクさんの中で一番大きいイベントを、ONLINE特化にして3年間連続でポートホールで開催いただきました。10万人ぐらいが視聴するので、そこに会場名を出していただけることで、「ソフトバンクワールドやった会場ですよね」と認知を取れるので、我々にとっても非常に大きなプロモーションにつながるご利用でした。我々もこのイベントを成功させるために必死で、竹芝運営スタッフ総動員でソフトバンクさんが求められる高いレベルの演出や実現されたいことを達成するために、ホールのハードもソフトもパートナー企業各社との連携も、毎回総力戦で本当にがんばってやっていましたね。

東急不動産 簗瀬:

今ではソフトバンクさんにもご満足いただけていると思います。年間を通して高い利用率を維持できているのは、初瀬さんと竹芝チームの提案力の高さ、それに尽きると思いますね。他の人が同じ条件で提案をしても、相手には響かない。リピートにはつながらないんじゃないかなと思います。インフィールドの提案力のなせる業だと思ってます。あとは人間力かなと。

それこそパブリックビューイングをやるとなったときに、そのような利用を私は想定してなかったので、「ええ!? そんなのできるんですか?」と驚きました。去年もラグビーワールドカップの際に、NHKさんをお呼びし、五郎丸歩さんや岡田准一さんをゲストとしてパブリックビューイングを実施しました。その誘致力。立地とスペックだけでは、このような案件を誘致できないと思います。

初瀬さんが、CiPさん(※)や制作会社さんやPR会社さんなど、いろいろなところとのつながりを作ってくれていて、そこから情報をキャッチアップし、利用につなげてくれているんだなというのはすごく感じます。通常運営をするだけではこうはいかないので、アンテナをすごく広げていて、そこからさまざまな情報を得て、いつも高い熱量でお客様を誘致してくれるのがインフィールドの強みかなと思います。

※CiP:8階クリエイションフロア内に入居している一般社団法人CiP協議会。東京都の都市再生ステップアップ・プロジェクトの一環として設立され、コンテンツを核とした研究開発・人材育成・起業支援・ビジネスマッチングを軸に多数のプロジェクトを推進。

INFIELD 初瀬:

東京ポートシティ竹芝のビル全体の空気感というか風土として、新しいことにどんどんチャレンジしよう!というのをすごく強く感じるんです。無茶なこととか、新しいことをやりたいと言ったとき、オーナーもチームの皆も「やりましょう!」と言ってくれますし、そこでお客様への追加のフォローが発生するようなことがあっても、チーム全体でやりがいを持って取り組める文化があるんです。環境に本当に恵まれてるなって感じます。

インフィールドもエリアマネジメントとDMOに参画

インフィールドは竹芝のエリアマネジメントやDMOの活動にも参画していますが、具体的にどんなことを行っていますか?

INFIELD 初瀬:

一般的な運営会社だと、エリアマネジメントでの賑いイベントやDMOの活動を行う際に、運営しているホールを貸しますねとか、スタジオを貸しますねという、会場を貸すだけで終わりだと思うんです。けれど当社は、企画立案やイベント制作、当日の進行ディレクション、パネルディスカッションのファシリテーターまで請け負うこともあります。

その中の大きなイベントとして、コンテンツメディアの文脈から参加されているCiPさんと一緒に「ちょっと先のおもしろい未来(略称:ちょもろー)」という都市型フェスを一緒に制作させていただいています。これも大元の企画はあるんですけど、実際に中身を何をやるかというアイデア出しを私の方で話したり、CiPさんでやりたいものを関係各所とすり合わせて全体最適化させていくということをやっています。

当社がそれらの調整役を請け負う代わりに、このホールをエリア全体を巻き込むイベントの中のメイン会場となるようにイベント設計をさせていただいています。ちょもろーに来ることでポートホールを知り、「ここ使いたいね」というお客様が増えて、会場稼働につながるという連携をさせていただいています。

INFIELD 初瀬:

運営会社でここまで関与させていただくのは結構珍しいと思うんですよね。竹芝運営メンバーの工数もかなり発生しているのですが、一般的な制作会社などに外注するよりも遥かに安価に受けていたりします。ビルの付加価値向上が、巡り巡って当社にとって良いことがあるよね、という思想が根底にあります。

最近、各不動産会社様はエリアマネジメントに力を入れていると思うのですが、どこも少数精鋭でさまざまなプロジェクトを抱える中で、既存物件のエリマネのために大きなリソースを割くのは難しいんじゃないかなって。そこで、我々のような運営会社がエリマネを後押しさせていただくことは、今後ニーズがあるのかなと思うのですが、いかがでしょうか。

東急不動産 土井:

おっしゃる通り、エリマネは地元の方と一緒に作っていかないといけないので、やはり竹芝エリアの現場にいらっしゃる方が一番分かるし、お話も通じるし、何かあればすぐ対応できるのは、すごく強みなんです。エリアを見て、人や建物の動きを見て、自然とアイデアが浮かぶこともあると思うんです。だから現場にいていただくことが非常に重要です。ご提案の内容は、確かに良いアイデアだと思います。

東急不動産 簗瀬:

エリアマネジメントイベントの音楽祭は3回実施していて、ようやく少しずつ集客が見えてきたということがありますね。近隣の方々の「音楽イベントを東京ポートシティ竹芝でもやってるんだ」という認知につながっていると思います。

土井も言っていた通り、エリマネ文脈での利用は大切ですが、現地での運営の苦労は計り知れないんですよ。イベントを実施すると本当にいろいろなトラブルが起きます。

そういったトラブルが発生したときに初瀬さんをはじめ、インフィールドの皆さんが事故のないようにコントロールしてくださるので、運営側の我々も安心してイベントの誘致をしていただけます。

ビルと一体で進めるサステナブルな取り組み

サステナビリティへの取り組みについて教えてください。

東急不動産 簗瀬:

私はホール運営だけではなく、ビル全体の生物多様性やSDGsのイベント業務も担当しているのですが、ビルのスキップテラスの緑化部分や八景を通してワーカーのストレスを低減することでソフト面からのテナント満足度向上を目指しています。

当社全体としても働く環境に緑を積極的に取り入れる「グリーンワークスタイル」を謳っています。竹芝ではスキップテラスを中心に「竹芝新八景」を展開していて、養蜂場や水田を設置しています。そこで採れた蜂蜜をビル内外で活用できないかと模索する中で、ぜひホール利用者さんのケータリングで使わせてほしい!と初瀬さんから相談をいただきました。

実際、提携養蜂場のラベイユさん(高尾山に養蜂場を持つ蜂蜜ブランド)に直接交渉していただいて、ホール利用のお客様に提供するための専用瓶入り蜂蜜を作っていただいたりしています。

そういったところでもサステナビリティの文脈でビルの価値を上げてくれています。積極的にいろいろなアイデアを提供してくれるのは、とてもうれしいですね。ホールやスタジオのサステナブル文脈での利用案件も共有をしてくれていて、そこでトレンドを知るということもよくあります。

INFIELD 初瀬:

竹芝蜂蜜、めちゃくちゃおいしいです。まだ納品されたばかりなので、これからしっかり広めていきたいですね。

東急不動産 簗瀬:

ビル内で地産地消の循環をしていきたいという思いもあります。施設の利用だけにとどまらず、「ビル全体でサステナビリティに特化しています」と利用者様にもご案内できればと。

ポートホールは、CO2ゼロMICEの取り組みをイベントホール業界で初めて導入したと聞きました。

INFIELD 初瀬:

簗瀬さんがちょうど着任された頃にCO2ゼロMICE導入のご相談をしました。ビル全体でエネルギー消費を抑えていくという文脈の中で、イベントも映像や照明機材を使って環境負荷が当然発生するのですが、環境負荷が発生せざるを得ないイベント会場でサステナブルなイベントを実施するという矛盾を解決したいという思いがありました。

たまたま会場のご利用者様の中にJTB系列の会社さんがいらっしゃって、彼らがさまざまな場所でCO2ゼロMICEの取り組みを推進されていて。イベントホール系の施設では未導入と聞いて、ポートホールは導入第1号物件を目指して取り組もう!となったわけです。

改めてCO2ゼロMICEについて簡単にご説明すると、イベントで使用される電力量分の「グリーン電力証書」を発行して、CO₂が排出されない再生可能エネルギーと同等の電力を使用したとみなすことができる商品なんです。

当時は東京ポートシティ竹芝は全館が全て再生エネルギーを活用されていたわけではなかったので、そこの活用されてない部分を数値化して代替すれば、サステナビリティの取り組みにもなるし、ビルの取り組みにもなるということで、御社にご相談して採用いただいた経緯ですね。

インフィールドへの期待

インフィールドへのこれからの期待や竹芝が目指す目標などあれば教えてください。

東急不動産 簗瀬:

ソフトバンクさんがメインテナントの最先端のビルということもあり、皆さん注目してくださっていると思うんです。その中で、これからどんどん機材や設備が古くなる一方で、いかに現在の高稼働を維持していくかが大きな課題だなと思っています。

そのためには、新しい機材やシステムに対して適切な投資を継続していく必要があります。そこで会場運営のプロのインフィールドさんの知見を大いに生かしてほしいと思います。

現状の稼働状況を見ると、予約数が上限に到達しつつあり、頭打ちに来ているんです。どうしても予約をお断りしなければならず、こういった取りこぼしている案件をどうやって獲得していくか本当にハードルの高い課題だと思います。稼働アップに向けて経験や知見を生かして、インフィールドさん独自のアプローチをしていただけたらと思っています。

東急不動産 土井:

まさに先ほど竹芝の高稼働を初めて知ったんですが、とても成功していただいている。このノウハウを生かして、これからも一緒に開発をしていきたいですし、いい施設を増やしていければと思っています。新しい企画もそうですし、逆に何が良くて、何がいまいちだったか、ぜひフィードバックいただきながら、次にも生かしていけるとお互いにとってハッピーかなと思います。

INFIELD 初瀬:

稼働がアッパーに来ている中で、例えばさらなる付加価値を生み出すために、現状の設備を大幅にアップデートして、さらにワクワクするクリエイティブなホールにできないか?といった投資の話も相談したりしています。

スタジオ企画の話でも出ましたが、常に時代の先を行くハードとソフトを備えた会場を目指したいと思っています。そうして竹芝で積み重ねたノウハウを新たな武器として、またご一緒に開発に携われると本望です!

東急不動産 土井:

逆にせっかくなので聞いてみたいなと思うのですが、本当に最初から自由にできるとしたらインフィールドはどんな施設を作りたいですか?今後の開発の参考として。

INFIELD 初瀬:

誤解を恐れずに率直に言うと、インフィールド全体のスタンスとしては「こんな会場を作りたい」という具体的な思いがあまりないんです。逆に、開発をされるビルオーナー側の思いが強くて、「制約もすごく多いけどなんとかなりませんか?」とご相談されたときのほうが燃えるタイプ、と言いますか。

既存の企画・運営施設も、結構メジャーではない物件ばかり携わっているんですよね。ポートホール/ポートスタジオも一般的な目線で見ると立地がちょっと微妙だったり、四谷・九段・川崎の施設も周辺に競合がない空白地帯の案件だったり。行政与件・地理・ハード・マーケットなどさまざまな制約の中で、それでもオーナー様の気持ちに私たちも心を動かされて、なんとかしようと知恵を絞って企画と運営を頑張る、それが結果として上手くいってるみたいな。

オーナーがやりたいことを一緒に考えて、寄り添って作っていくみたいな方が、会社としては好きなのかなという感じですね。なので、当社は自社ブランドを持ってないんですよね。ほとんどの競合他社は自社ブランドを掲げていますが、当社は全部ビルオーナーの個別ブランドで営業している。効率の観点からいくとかなり非効率なんですが、会社の性格的にそっちの方が楽しいというか好きというか、そういうことはあるのかもしれないですね。

インフィールドを社内の他チームに紹介するときに、どんな会社と紹介しますか?

東急不動産 土井:

「とにかく相談しやすいから相談してみて」と紹介すると思います(笑)。特に私の方で開発などの企画を最初に考えるとき、結構本当に壁打ち相手が欲しかったりするんですよ。いろいろ模索する中で、たとえ100点満点は無理でも、自分の企画に自信を持てるかどうかが大事なんだろうなと思うんです。

そのときに先ほど申し上げた、インフィールドのように意見を聞きやすい方々が、さまざまな制約の中で我々の視点にも立ちつつ「確かにそうかもしれませんね」って後押ししてくれると、開発を推進する上でだいぶ自信につながる。ディスカッションがしたいのに、「それは全然違いますよ」とかってただ頭から指摘されると、シュンとなってしまって、おそらく前に進んでいかないんですよ。それに対して、インフィールドさんはどうにか我々の考えを実現しようとしてくれる。だから社内でも「インフィールドさんがいいんじゃない?」と勝手に言って回っています。

東急不動産 簗瀬:

私もここに来て初めて施設の運営に携わったので、分からないことも多いのですが、インフィールドさんは上から目線ではなく、私の知識不足をフォローしながら丁寧に説明をしてくれます。きちんと施設の利用価値や付加価値を考えて提案をしてくれるのはオーナーとしてもありがたいです。

施設運営だけ上手くいけばいいという考え方ではなくて、全体を俯瞰して、どうやったらビル全体の価値向上につながるか、といった観点で真摯なアドバイスをしてくださる。そんなところに信頼を置いています。

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