イベントコーディネーターの仕事は、お客様のイベントの成功に向けて、必要な体制を作り、当日の運営を支援し、イベント後のフォローをすることです。
お客様が企画するイベントは、ほとんどがBtoBの法人利用であり、株主総会、新商品発表会、決算説明会、展示商談会、管理職向け研修、役員会議、医療系学術大会、ITサービスセミナーなどさまざまです。
お客様はイベントのプロではありません。そのため、お客様の御用聞きになるのではなく、イベントを成功させるためにはどんな準備や手配が必要なのか、お客様が見落としていることはないかなど常に先回りをして提案・対応することが求められます。
お問い合わせいただいたお客様に対して、いつ、どのくらいの規模で、どのようなイベントの開催を希望しているのかヒアリングします。同じような規模のイベントでもイベントの参加者の性質や予算状況、懇親会の有無などにより、最適な部屋を選定してご案内します。条件が合えば、会場の仮予約をします。
お客様に仮予約をした会場にお越しいただいて、イベントの目的や内容など、より詳細な内容をヒアリングします。
また、実際に会場のご案内をします。ただ部屋を見てもらうだけではなく、机や椅子を動かしたり、映像機材を投影してみたり、具体的な利用イメージを掴んでもらいます。
お客様の内覧後、ヒアリングした内容を受けて提案を行います。具体的には、Adobe Illustratorなどのツールを使用してイベント開催用の会場のレイアウトの図面を作成します。また提案内容に合わせて、必要な手配物や依頼する協力会社の概算費用を算出し、お客様に提出する御見積書も作成します。
提案内容にお客様がご満足いただければ、申込書を発行して契約となります。
イベント内容や規模、ご要望に合わせて、イベント当日までのスケジュールを組みます。お客様と一緒に、何をいつまでに決める必要があるのかを確認し、外部の会社にケータリングなど手配が必要な場合は、早めに依頼します。
また、開催日が近付くにつれて「プログラム内容が変更になったので、照明演出と会場転換を相談したい」「参加者が増えたので、レイアウト変更と手配物の数量を変更したい」などご要望が寄せられます。それらも合わせて、パートナー企業へのスケジュール調整や手配変更も臨機応変に実施します。
お弁当やケータリング、映像機材、技術オペレーターなどイベント実施に必要な手配物を各協力会社と調整して準備を進めます。
インフィールドは、お客様1社を専任で担当しますが、イベント前日のレイアウトやセッテング、ケータリングなどの会場準備は他メンバーも担当します。前日の準備すべてを担当者1人が任されることはありません。
お客様と最終確認を行い、イベント参加者を迎える準備をします。イベント前はお客様も慌ただしいため、手短にやり取りをする配慮が大切です。お客様から用事をお願いされることもあり、業務の中でもっとも忙しい時間です。
会場のチェックを行った後にお客様にイベント終了のご挨拶をします。イベントが無事成功した安心感をお客様と分かち合える瞬間です。
翌日以降、請求書などを処理します。あらためてお客様にお礼のメールを送信し、ひとつのイベントが終わります。
異動の際、お客様に「眞々田さんが異動するなら、異動しないように会社に直訴します!」と言ってもらえたのがとても嬉しかったです。「眞々田さんのおかげで無事にセミナーをここまで続けることができました!」と言われたときには、自分がやってきたことが実りのあるものだったんだなと実感しました。
毎年、社内研修でご利用いただいたお客様。研修最終日にお客様が帰られた後、会場内のホワイトボードに大きく「お世話になりました」と書かれており、更に「会場内にクリスマスプレゼントを隠しているので探してみてください。会場設営の小さな楽しみになれば幸いです」というサプライズまでしてもらったことに感動しました。
産休から戻って4年ほど現場からは離れているのですが、長らくお付き合いのあるお客様から今でも相談をいただくことがあります。久しぶりに連絡をくださったお客様から「いてくれてよかった」と会場の相談をいただき、信頼してもらえているのだなと、うれしく思いました。
初めて自分で企画運営したアパレル合同SALE案件のこと。当日は生憎の雨で、客足も思うように伸びず、必死に手を尽くしたが、SALE案件としては惨敗の結果に。賛同いただいた企業様へお詫びにうかがったところ、お客様から「菅野さんありがとう。本当にお疲れさまです」と握手を求めてくださいました。「少しでも集客を伸ばそうと走り回ってくださっていたことが印象的でした」と言ってもらえたことにも感動しました。
入社半年で担当したホールのお客様。イベントの途中で、レイアウトや機材、照明などを大幅に変更しなければならない大変なものでしたが、無事に終了することができました。お客様からとても温かいお言葉をもらうことができ、さらにお礼を上司や社長にもメールでお送りいただきました。上司から「自分が褒められることより、萬谷がお客さんに褒められたということが、何よりも嬉しかった」と言ってもらい、インフィールドには、本当に素晴らしい人がたくさんいて、入社できてよかったなとしみじみ思いました。
今は問題ないのですが、元々映像や音響の知識が皆無なアナログ人間でしたので、はじめの頃はトラブルにうまく対応できないことが多々ありました。でも困ったときは、知識の豊富な後輩に助けてもらい、ときにはお客様と一緒に悩みながら問題を解決しています。
私たちが思う「質の高いサービス」とは、愛想がよく親切なことだけでなく、イベント主催者であるお客様が必要とするモノ・コトに対し、高いコストパフォーマンスでお応えできることです。たとえ一杯のコーヒーでもクオリティが高ければ、来客の方々には好印象として記憶に残るでしょう。
私たちは、お客様からのどんな些細なご要望でも最大限にサポートします。ちょっとした気遣いこそが、お客様に喜んでいただくサービスであり、結果としてイベントの成功につながると考えているからです。イベント終了後の「おかげ様でうまくいったよ、また次回も頼むね」という言葉ほどうれしいものはありません。笑顔で帰られるお客様は、次のイベントでも同じ担当者を指名されることが多いのですが、そこには小さなサポートの積み重ねがあるのです。
お客様の要望すべてにそのまま応えるのは、理想の対応ではありません。お客様に依頼されたとおり行動するのではなく、その意図を理解してよりよい方法があれば、それを提案するべきです。もし、会社の売上が減少することになっても、お客様の要望に対して「必要のないものなので、その予算は削りましょう」と言える人は、イベントコーディネーターとして活躍できるでしょう。
私たちの仕事は、複数のお客様を担当するため多数のタスクが同時に進行します。忙しいときに、どのお客様に対しても同じように対応するなど、「こなす」ように仕事をする人は向いていないかもしれません。お客様は、メールが苦手な方、丁寧な説明を求められる方、要点を押さえて効率的に進めたい方などさまざまです。一人ひとりに合わせた丁寧な対応が求められます。
お客様1社を専任で担当する方針ですが、前日の会場レイアウトや映像・音響などのセッティング、ケータリングの提供は他のスタッフとの協力が不可欠です。そのため、自分が担当しているイベントが上手くいけばすべてよいということはありません。他のスタッフが担当するイベントでも、手が回っていないときに自然と助けることでできる人は、イベントコーディネーターに向いています。
展示会、学術大会、TVドラマ撮影、セミナー、研修、会議、パーティーなど、イベントによって求められる内容はさまざまです。幅広いイベントを経験することで、イベント全般に必要なノウハウから、専門性の高いイベント実施に必要な知識など業界でもハイクラスのイベント運営スキルが身につきます。
大規模なイベントの開催には、多くの人間が関わります。企画する主催企業、制作会社、広告代理店、旅行代理店、ケータリング会社、印刷会社、施工会社、人材派遣会社、テクニカルオペレーター会社など、イベントの成功に向けて関係者との調整を通して、プロジェクト設計とマネジメントスキルが身についていきます。
お客様のイベントを成功に導くには、お客様の要望にただ応えるだけではなく、「この会場でイベントを実施することに、お客様は何を期待しているのか」を考えたうえで提案する必要があります。インフィールドでお客様の信頼を得られるようになる頃には、本当の課題をヒアリングする力が身についているでしょう。