2012年に異業種からインフィールドに転職した古田朝美。入社3年目に実施した「イベントコーディネーターの魅力」インタビューを、当時の内容そのままにお伝えします。当社への入社者からも好評の記事で仕事の魅力が垣間見える内容です。
以前はインターネット広告会社で、自社サービスを紹介するためのセミナー企画や運営を担当していました。そこで、貸会議室や貸ホールを借りる立場から「イベントコーディネーター」という仕事を知り、興味を持ちました。あるホールで大きなイベントを行った際、ホールの担当者がサポートしてくださったおかげでイベントを成功させることができたと感じたのです。
そこへインフィールドの求人が目に入り、「1件のお客様は、最初から最後まで1人が担当する」というスタンスに共感。転職を決意しました。まもなく入社から3年。映像や音響設備については知識ゼロからのスタートでしたので、少しずつ仕事の幅を広げているところです。
イベントというと華やかなイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、8~9割は地味な仕事の積み重ねです。私が担当するのは、医学学会など硬派なイベントが多いので、高名な先生方と直接やり取りすることも多く、さらに主催者、共催者、運営会社など、多くのご担当者からのご要望をまとめあげるのは、地道にコツコツ積み上げて信頼されることが必要です。机の配置を考える、コーヒーを出す、プロジェクターの投影確認をする。こうした細々とした作業を実際に自分でやっていくなかで、より実践的で具体的な提案ができるのだと実感しています。
イベントコーディネーターの仕事は、電話などでお客様からお問い合わせをいただくことから始まります。いつ頃、何名くらいの規模で、どんな内容のイベントを開催したいのか、詳しく丁寧に伺うのが第一歩。
「どうしてもソラシティを使いたいが、全館貸切にしても1部屋足りない。どうにかならないか」というご相談をいただいたことがあります。その際は、これまで開催してきたイベントの内容、利用した会場のキャパ、各セッションの規模、来場者・スタッフの人数、展示ブースの数をどこまで調整できるかなどの詳細を、お客様とひとつひとつ話し合っていきました。
その結果、ラウンジや廊下などあらゆるスペースを使用することはもちろん、会の途中でのレイアウト変更、備品の置き場、倉庫まで調整することで、来場者の動線を確保しながらもスペース内に収めるというような工夫を行います。
会場設営は、お客様のご要望に合わせたレイアウト、機材セッティングを行います。その上で、お弁当やドリンクを並べる机が来場者の邪魔にならないか、動線をつくるために休憩時に締切にする扉を設定するなど、臨機応変な対応を行います。
大切なのは、ご要望にお応えするだけでなく、何が起こるかを予測し、先回りした準備をしておくこと。例えば、当日まで詳細が伺えないこともあるので、その場合は必要になるであろう機材を予測し、お客様がいらして確認でき次第、すぐにセッティングできるように準備しておく。
イベントの規模が大きい場合や、本番開始時間が間際に迫っているケースでは、他のスタッフと情報共有し、業務を分担することもあります。その際もメイン担当は1人なので、それ以外の作業は先輩・後輩の区別もなく、動ける人が迅速に対応するのが鉄則です。
チームワークや周りのメンバーを巻き込む力が試されますが、スタッフ全員がイベントコーディネーターとしてそれぞれのお客様を担当しているからこそ、お互いのフォローもスムーズに行くのだと思っています。
イベント終了後は、お客様が片付けに入るタイミングで会場に顔を出し「ありがとうございました」だけでなく「お疲れさまでした」という言葉を大切にしています。
お客様は、お金を出して会場をご利用くださる存在である以上に、イベントの裏方として一緒に準備を進めてきた「仲間」だと思って行動しています。荷物の配送手配を手伝ったり、忘れ物がないかチェックしたりしながら、大仕事が終わってほっとする気持ちを共有できるのは、とても楽しい時間です。
お客様は1人残らず「イベントを成功させたい」と考えていらっしゃいます。私たちは毎日会場にいて、様々なイベントを見ていますが、お客様にとっては年に1度の一大イベントである場合がほとんどですから、まさに真剣勝負。
様々なイベントを経験して、使い方も含めて会場のことなら誰よりもよく知っている私たちだからこそ、できるサポートがたくさんあります。コツコツと真剣に取り組んだ仕事が成功した時の達成感を、お客様や仲間と分かち合えるのは、この仕事の醍醐味であり、最高に楽しい瞬間です。
新人の頃、会場のことを十分に理解できていないままお客様の内覧をご案内したことがあります。当初は非常に拙いご案内でしたが、本番に向けて打ち合わせを重ね、私自身も本番までの1年間に経験を積むことで、無事、イベントを成功に導くことができました。後日、丁寧なお礼のメールとともに「次回の開催は2年後ですが、絶対に次回も担当していただきたいので、それまで異動しないでください」というメッセージをいただいたときは、本当に嬉しかったですね。知識、経験を積むほどにお客様の役に立つことができるので、より感謝されるし、頑張った分だけやりがいや喜びを感じられる仕事だな、とあらめて思いました。
まだまだ経験不足。セミナーや学会の仕事は経験しましたが、イベントやショーなどの経験はまだ少ない。今後は、もっと多くの種類のイベントを担当して知識や経験を重ねていきたいと思います。そして私自身「こんなに楽しい仕事はない」と感じているので、お客様や仲間との出会いを通じて成長していく楽しさを、後輩たちにも伝えたい。そのためにも、みんなが働きやすい環境をつくることを目標の1つにしています。